百合作品リスト(商業系) - 2010年 私的年間ベスト10+α
(2011.01.01 更新)

年末年始の風物詩、百合ランキングです。
今年も商業系百合作品の中から、私的なベストを振り返って好き勝手にランキングします。
対象は、2010年に発売・発表された商業作品で、私が視聴し終わっているものの為、積み本になっている作品に関しては、申し訳ないけど入っていません。
2010年を振り返りつつ、百合作品を探している方のなにかの参考にでもなりましたら幸いです。
……いろいろ選んでたら全部で12位になっちゃったけど、気にしない(笑)



表紙
画像
タイトル 発表媒体 役割 百合度
作者・レーベル ISBN・記番 お買い物リンク・関連サイト
コメントや思い出と感想など。(→当時の日記へのリンク)


くっつきぼし 前編 (DVD) OVA
プリマステア PRMS-0005 amazon.co.jp
個人制作の百合かもしれないアニメ。事前のPV等が百合っぽさ全開でしたが、いざ発売してみれば、この前編の最後の最後で、まさかのブラコンNTR展開。後編の内容によっては百合的には残念な結果になると思いますが、まだ完結していないものを評価は出来ないので、百合展開を期待して次点扱い。後編の発売までまだ半年以上有るのでやきもきしてます。

ブルーフレンド(1) 集英社りぼんマスコットコミックス
えばんふみ 978-4088670751 amazon.co.jp
雑誌での連載開始から、「まさかりぼんで百合とは!」との声が百合界隈で駆けめぐった作品。全2巻できちんと完結して2巻は2011年発売です。内容としては過去の百合作品が通り過ぎてきた道ではありますが、それを少女漫画誌で「百合」とはっきり宣言して描ききったのは、さらに百合の掲載誌が広がる足掛けになったのではと思います。

百合姫 2011年1月号 一迅社
百合雑誌 13739-01 amazon.co.jp
リニューアルした百合姫。増殖する百合漫画誌とコミックスの多量化に、先陣切って走っていた百合姫が選んだ道とは……。リニューアル1号では、正直まだ、今までとの明確な違いがそれほど見受けられませんが、百合姉妹の頃の混沌とした手探り感が百合脳トレーニングの特集ページに見受けられたりしました。次号からの「百合男子」の掲載など期待するところも多く、2011年も最先端を走ってもらいたいので次点。
12
百合アンソロジー ひらり、 1 新書館
アンソロジー 978-4403670916 amazon.co.jp
「つぼみ」「COMICリリィ」「百合少女」とアンソロジーが沢山出て、様々な作家さんが百合漫画を出してくれた中で、こんな人も百合を描くのかーという作家さんを一番集めて創刊されたひらり1巻。社会人モノや百合小説も入っており、いろんな種類の百合を楽しみたい人にはお得な一冊です。元々BL畑の方もいるらしくて、そう言われると確かに絶妙な関係性やちょっとひねりのある内容が多いですね。(→10.04.26
11
Girlish Sweet アタシノ彼女 白泉社
竹宮ジン 978-4592710233 amazon.co.jp
一迅社からも今年はコミックス出てますけど、今回はこっちを選びました。同人誌発表作品に、追加書き下ろしを加えてのコミックス化。登場人物達の横の繋がりもしっかりと見え、世界感が広がる作品になってます。この作者の描く百合は、登場人物がみんなそれぞれの生き様を持っていて、ほんと愛されてるなぁと思います。2011年も大活躍すると思う作者さんです。(→10.04.26
10
お願い神サマ!(1) 芳文社まんがタイムKRコミックス
守姫武士 978-4832279650 amazon.co.jp
一冊にまとまると、とにかく甘い甘い甘いストーリーがただひたすらに続く。その絶妙なまでの、ギャグなのか真剣なのか分からない、二人の勘違い&すれ違いの世界は、訓練された百合オタ(笑)には最高の展開である。昔ならとてもコミックス化されないようなニッチな漫画だと思うのですが、いい時代になりました。

エビスさんとホテイさん 芳文社まんがタイムKRコミックス つぼみシリーズ
きづきあきら+サトウナンキ 978-4832279339 amazon.co.jp
嫌よ嫌よもいつしか変わっていく、気になっていく。そんな心変わりや、それとは関係なしに進んでいく日常や仕事。周りの人々。社会人百合は、周りの世界と上手く折衝して、そんな中で百合である事が続いていくので学生ものとは違う趣があります。しかし、娘のママ三人発言と、それを友達にどう伝えようか思念する姿はいいですね。

レンアイ 女子課(1) 一迅社 百合姫コミックス
森島明子 978-4758071116 amazon.co.jp
「OLさんがいっぱい出てくる百合が読みたい」との作者あとがき。激しく同意です!そしてその欲望を思うがままに描いてくれています。登場人物達の愛情の形はいろいろだけど、お互いに恋を確信するまでの過程がたまりません。特に102ページ目の破壊力は強すぎる(笑)

この靴しりませんか? 芳文社まんがタイムKRコミックス つぼみシリーズ
水谷フーカ 978-4832279513 amazon.co.jp
このクオリティで初めての百合作品ってマジですか!? ささいな切っ掛けから、関係が始まる表題作や、年下攻めの話、「私のもんっ!」と叫ぶ主人公、バラエティ豊かで、どれも読み応えのある百合作品ばかりです。2010年の百合漫画の中で、広く人にお勧めできる、今後の作品が期待の百合作家さんです。

ささめきこと 第1巻 TVアニメ
メディアファクトリー ZMBZ-5321 amazon.co.jp
放送自体は2009年からでしたが、DVDは今年の発売なので今年のランキングに。ゆったりとした演出と、原作とも同じ小気味よいボケとツッコミ(笑) 原作未完なので途中まででの区切りですが、百合フェスとか携帯届かない話とか、中盤までのいい百合話はしっかり押さえてます。騒がしいシーンも多いけど、実はじっくりと鑑賞すると、いろいろと演出を発見する事が出来る良作アニメだと思う。

執事少女とお嬢様 1 芳文社まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ
真田一輝 978-4832279124 amazon.co.jp
真田一輝氏が、自身のフィールドはやはり百合だとばかりに完全百合ストーリーで始まったこの作品。お姉ちゃん子で頑なな沙綺が、徐々にひなたにデレていく様を主軸に、ライバルも百合だったり、酔うと黒いドSになるひなたとか、友人の麻衣だとか、見所満載な百合漫画でした……が、2巻で完結。掲載誌のフォワードは百合切りをしたのか!?と、今でもショックを押さえきれません。ぜひぜひ、またストーリー物の百合漫画を描いて欲しいっ。つぼみとかでさ。

三日月の蜜 芳文社まんがタイムコミックス
仙石寛子 978-4832268982 amazon.co.jp
表題作の何話目かを雑誌で読んで、一気にバックナンバーを買いそろえたくらいハマった作品。心の動きだとか、セリフだとか、特に桃子さんの発言は微妙に予想からずれていて、展開はベタなのに、ハラハラする物語。百合をただ恋愛として描いている。それが素晴らしい。アンソロなどにもこまめに百合作品発表している作家さんなので、来年もどんな百合が読めるか楽しみです。

君が僕を 4 小学館 ガガガ文庫
中里 十 978-4094512212 amazon.co.jp
シリーズ完結まで辿り着き、そしてあとがきを読むと分かったこと。これはきっと百合入門用の小説として書かれたのかも?百合に厳しいライトノベルの現状で、誠実に百合小説を書こうと考えるとこうなるのかな。なので読み始めたら問答無用で百合にハマれる作りの作品だと思うのですが、問題は、百合好き以外の人はなかなかこの素晴らしい百合小説に辿り着けないだろう事。レーベル的にも中堅なので、書店での扱いも微妙だし。ですので、2010年のお勧め百合小説は? と聞かれたら、私は迷うことなくコレをお勧めします。


Candy boy(1) & (2) メディアファクトリーMFコミックス フラッパーシリーズ
峠比呂 978-4840133319 / 978-4840137249 (1) amazon.co.jp
(2) amazon.co.jp
個人的に去年のナンバーワンだった、アニメ版Candyboyのコミカライズ。
とは言え、ショートアニメと言う名がぴったりな原作なので、漫画にするに当たって、かなりの設定の膨らませや、サブキャラの登場があります。
そしてそれが非常に良い方向にCandyboyの世界観を広げています。
特に咲夜がただの変態キャラ(笑)から、可愛さや友達思いな一面が見える厚みのある人物になっていて、一茶子や雫との絡みは必見。にやける展開満載。
一年間、本当にコミックスが出るのが楽しみな作品でした。(1→10.06.23)(2→10.12.22

GIRL FRIENDS(5) 双葉社アクションコミックス
森永みるく 978-4575838367 amazon.co.jp
友情未満の出会いから、一つずつ時を積み重ね、誤解も見栄も、恐怖も憧れも、恋も性愛も通り、ついに辿り着いた最終回。
進路は違えど、終わりではなく二人で共に生きていく意志の見える世界を描いた結末は、やはり、ここ数年を代表する百合漫画と言えます。連載開始から、リアルタイムに読めて良かった。
これだけの連載の百合作品を続けて描くのは難しいとは思いますが、今後も森永氏の百合作品には、注目するしかないでしょう。

連載開始の年から、徐々にランキングを上げてきた「GIRL FRIENDS」が完結巻で1位というのは、ほぼ予定通り(笑)
それ以外で言えば、「つぼみ」シリーズや、「執事少女とお嬢様」「三日月の蜜」など芳文社のコミックスが多くランクインしたのは、個人的に波長が合っていたからかな。
逆に百合姫コミックスが去年に比べてランクインが減ったのは、出ているコミックスが幅広く数も多いため、相対的に印象が薄れてしまったからかも?
でも、新生百合姫のコンセプトと危機感は非常に共感できるので、また一つの大きな波を作り出して欲しいところ。
毎年思うことですが、百合小説の革命が起こるのは何時のことか。「君が僕を」まで辿り着ける一般読者が少ない現状、もっと間口が広くなるほど作品が増えないものでしょうかね。
「ひらり、」に短編小説が掲載されていますが、それで百合小説に興味持った人が、手軽に手に取れる小説が少なすぎます。いやほんと、ファイトです。
と、言うことで、2010年も楽しい一年でした。2011年も百合百合していきたいですね。
とりあえず、「Candyboy」「GIRL FRIENDS」という、個人的な鉄板タイトルが終わってしまったので、2011年は全く予測尽きません。ワクワクですよ。


Return